東日本大震災復興支援 記事 掲載されました。

見える伝わる復興支援を 東伊豆・住職の挑戦」 中日新聞

福島・里山再生PJを支援 稲取の清光院住職・菅原さん」 伊豆新聞

東日本大震災・あの日から7年 被災地の特産品など販売ー稲取」 伊豆新聞

中日新聞

2018年3月14日 夕刊

見える伝わる復興支援を 東伊豆・住職の挑戦

◆法要、マルシェ、被災者交流

被災地から参加した霊山プロジェクトの大沼豊代表(左)と談笑する菅原大道住職(中)=東伊豆町稲取の清光院で

フリーターやサラリーマンを経て、東伊豆町稲取の清光院住職となった菅原大道(だいどう)さん(44)は、東日本大震災の被災地を何度も訪れ、「顔の見える支援」「心が伝わる支援」を模索している。十、十一の両日に寺院境内で開いた復興支援マルシェには、被災地住民も参加。交流を深めながら支援への決意を新たにした。

菅原さんは東京都八王子市出身で一般的なサラリーマン家庭に育った。高校卒業後に電気工事業やカラオケレーザーディスクの営業回り、牧場の牛の乳搾りなどの職を転々とし、まとまったお金がたまると単身で海外旅行を繰り返した。「困っている人を助けたいという思いは、そうした人生経験から生まれたのかもしれない」と振り返る。

二十四歳で「地に足を着けて人に役立つ仕事に就きたい」と仏門を志した。紹介を受けた臨済宗建長寺派の寺で三年半修行し、花園大仏教学科(京都市)に入学。卒業後は都内で僧侶を務め二〇一〇年六月、八十年近く住職不在だった清光院の住職となった。


寺院の境内で開かれ、東日本大震災被災地の野菜や魚介類が販売された復興支援マルシェ=11日、東伊豆町稲取で

翌年三月に震災が発生。翌四月に岩手県遠野市の被災地を訪れ、一週間がれき除去のボランティアに加わった。「まず現地に行って何かしたいと思った」。この年は、東北の被災地に計三回足を運び、復興作業に協力した。

その後は地元での支援活動に力を入れた。伊豆半島に避難した被災者のため、近隣寺院と協力して一周忌と三周忌の法要を営んだ。「震災の記憶を風化させないため持続的な活動を」と考え昨年三月、清光院の境内で復興支援マルシェを初めて開き、同年八月には二回目を開いた。

今回のマルシェのために菅原さんは三月五日、自家用車で被災地を訪ねた。「風評被害をなくすには食べてもらうことが大切」と考え、宮城産のカキや東北産の野菜、地酒を仕入れ、マルシェで提供した。趣旨に賛同した県内外の有志二十人ほどが運営に協力。慈善バザーやライブ、ダンスなどの催しに、二日間で約五百人が訪れた。


「顔の見える支援」への思いも強く、昨年八月のマルシェの収益二十万円を、原発事故で放射能汚染被害に遭った福島県伊達市霊山(りょうぜん)町で地域再生を目指す住民ボランティアグループ「霊山プロジェクト」に直接寄付した。今回のマルシェには返礼として、グループの大沼豊代表(73)ら二人が被災地から初参加。地元の竹を使った手作りの竹炭や特産品を販売するブースに立った。大沼さんは「菅原住職を見ていると自分たちも負けていられないと感じる」と話す。

昨年九月には、福島県相馬市の私立みなと保育園にペットボトルの飲料水を支援し続ける団体の活動を知り、その団体に支援金を贈った。さらに水を運搬する手伝いを志願し、同園を訪れた。「これからも被災地に足を運び、支援をする人と受ける人の心が伝わる活動を続けたい」と力を込めた。

(中谷秀樹)

伊豆新聞

下田版

福島・里山再生PJを支援 稲取の清光院住職・菅原さん

マルシェで販売する霊山プロジェクトの竹炭を袋詰めする菅原さん=東伊豆町稲取の清光院

■マルシェ継続し寄付 「大震災、防災忘れない」

東伊豆町稲取の清光院住職の菅原大道(だいどう)さん(44)は、原子力発電所事故で放射性物質汚染被害に遭うなどした福島県伊達市霊山(りょうぜん)町の住民有志ボランティアグループ「霊山プロジェクト」を支援している。

同グループは、70代を中心にした25人でつくる。大半の若者が大震災で生活できなくなるなどして町を出てしまったため、戻って来てもらえる町づくりを始めた。美しい里山を再生するため、汚染土壌改良に使われる竹炭作りなどに取り組んでいる。

菅原さんは「メンバーは安心して生活できる環境をつくろうとしている。生きているうちに町を変えることはできないかもしれないと思いながらも、復興を信じて頑張っている」と説明する。

大震災の翌月から1年に3回、1週間ずつがれき除去のボランティア活動をした菅原さんは、稲取で一周忌、三回忌の法要を近隣寺院と営んだ。七回忌を機に「自分の寺で継続してできる支援活動をしたい」と、昨年3月「東日本大震災七回忌復興支援マルシェ」を地域の人たちの協力を得て初開催、日赤を通じ収益を被災地に寄付した。同8月の2回目は「直接、団体支援に携わりたい」と同グループを紹介してもらった。寄付した20万円は炭焼き小屋作りに役立てられた。

この5日にも霊山町を訪れ、マルシェで販売する竹炭や特産品などを仕入れてきた。菅原さんは「普通に生活してはいるが、生活への不安がぬぐいきれない若者がまだ2、3割戻ってきていない」と現状を明かす。「大震災は人ごとではない。マルシェで支援を続けることによって被災地で活動する人たちのことを知ってもらい、大震災や防災を忘れないようにしたい」

マルシェは10、11日午前10時~午後4時、清光院〈電0557(95)2928〉で開かれる。

【写説】マルシェで販売する霊山プロジェクトの竹炭を袋詰めする菅原さん=東伊豆町稲取の清光院

伊豆新聞

下田版2018年03月11日

東日本大震災・あの日から7年 被災地の特産品など販売ー稲取


清光院で11日も開かれる東日本大震災復興支援マルシェ=東伊豆町稲取

 ■清光院、マルシェで復興支援 きょうまで

東伊豆町稲取の清光院で10日、「第3回東日本大震災復興支援マルシェ」が始まった。大震災当日11日も被災地のグルメや特産品を販売、バザー、ダンス披露など多彩なイベントを繰り広げる。収益は被災地に寄付する。

菅原大道住職が支援する福島県伊達市霊山(りょうぜん)町の住民ボランティアグループ「霊山プロジェクト」の大沼豊代表ら2人が初参加、製造する竹炭、漬物などを販売している。大沼代表は「住職のバイタリティーに元気づけられている。東伊豆の人へのお礼を兼ねて来た。安全な食品を販売していることをPRしたい」と話した。

グルメは牛タン入りカレー、ずんだ団子、三陸秋鮭たっぷりころっけなどがある。菅原住職らは「東北のグルメを食べて支援に協力してほしい」と呼び掛けている。

時間は午前9時~午後4時。発生時刻の午後2時46分に黙とうをささげる。問い合わせは同寺〈電0557(95)2928〉へ。

【写説】清光院で11日も開かれる東日本大震災復興支援マルシェ=東伊豆町稲取